2012年01月21日

Peter Wolf "Midnight Souvenirs"

告白します。ロックは所詮若いもんが作る音楽と思ってました。ローリング・ストーンズという絶対の例外は別として、いい年になったロックの人の作るものは、Good Musicであってもロックじゃないよなと。

そんな私をとっても恥ずかしい気分にさせてくれたのが、ピーター・ウルフのアルバム。今はなきJガイルズ バンド(Centerfold!)のフロントマン、フェイ・ダナウェイの元旦那という、絵に書いたようなロックスター。まだレザーパンツが似合う姿ながら 65に手が届かんとする彼が、久しぶりに放ったこの一枚は、いやーカッコよいです。ほどよい抜け感があって、これでもかというくらいロックのツボをスパーンと押してきます(こんな絶妙なタイミングで放たれた”C’mon!”を聞くのは久しぶり)。しかしベテランの味、年寄りの役得とレッテルを貼るのは大間 違い。いい日も悪い日もあったけど自分の本当に好きな音を大事にしてきた人が、ふっと肩の力を抜いて気の向くままにやってみたら凄いことになりましたよ、 という感じです。豊穣とかコクという大げさな言葉より、軽やかさとひとつまみのストイシズム、が相応しい。

説教なし、自讃なしの気負わない歌詞 も、素直に耳に届きます。カントリー界の大兄イ、マール・ハガードと低音で囁くラストナンバー、Is it too late to love? なんて、人生の穴ぼこを覗いているようです。(日本ではこういうことは望めないもんかね、と嘆いていたらこの曲を耳にしました。http://youtu.be/5vEwXCwvA0Y 作者は若者みたいですけれど、Julie with The Wild Ones がプレイすることで、同年代の千々に乱れる心もようの歌になっていて、身もふたもなくて、すごくおもしろい。)

Midnight Souvenirs
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Peter Wolf
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2012年01月14日

The XX

XXイギリスの4人組のバンドThe XX。20才そこそこのアートスクールの学生仲間が奏でるドラムレスでミニマムな音楽は、「君たち本当に若者かい!」とつっこみたくなるほど気だるい。音数少なく、美メロもサビもなし。ネオ・ヤング・マーブル・ジャイアンツと括ってしまう人もいるかもしれません。しかしよくよく耳を傾けると、やはり2009年の音楽。子供の頃からフツーにヒップホップを聴いて育った世代が、バンドを始めてみたら体に染み付いた、ウェット感のない音の感覚が自然に出てきました、という感じでしょうか(故アリーヤの曲をカバーしてますが、わかりやすい黒っぽさは全くありません)。

起伏の少ないメロディーに、派手じゃないけどちょっと色気のある音色のギター、そして淡々とした男女ヴォーカルのかけあい(女の子の声が、これまた耳元で囁かれたらたまらんという声)。中毒性高いです。あまり難しいことは考えていないらしいところもいいですね。

もうやり尽くしたかに見える音楽の世界にも、まだまだ、開けるべきドアはあるようです。

□The XX - Crystalised http://youtu.be/Pib8eYDSFEI



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2012年01月10日

アニメンティーヌ ~Bossa Du Anime~

なんやかんや言って2010年は『アニメンティーヌ~Bossa Du Anime~』がいちばん話題性があったのではないか。クレモンティーヌは何か吹っ切れた感じがする。「ゲゲゲの鬼太郎」のカバーが入った2枚目も出ている。10年7月にリリースされ、オリコンの週間アルバムランキング(全体)で18位まで浮上したのは9月6日。洋楽チャートでは1位の快挙。忘れてはいけない、このアルバムはフランス語で歌われているのだ。ポルナレフ以来の出来事かもしれない。学生と一緒に聴いたが、アニソンほど世代を超えて共有されているネタはないだろう。いつしかイントロ当てクイズ大会となっていた。アレンジも悪くない。クレモンティーヌは来日して「ほぼ日刊イトイ新聞」で Ustream ライブも配信していた。今年は坂本龍一や宇多田ヒカルのように大掛かりなライブを中継するというのもあったが、「ほぼ日」内の小さな会議室で気軽に演奏して、その映像を Ustream で流してしまうというのも、2010年の象徴的な風景だった。


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cyberbloom(初出2010年12月)

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2012年01月08日

Dusty Springfield "Just a Little Lovin'"

Dusty in Memphis寒い日が続くこの頃、聞きたくなるのがこの1曲。何かに例えるとすれば、寒い朝に頂く、いつもの一杯のコーヒーでしょうか。カップを両手で覆って、立ち上る香りと湯気に鼻をつっこみ、一口すする瞬間の、あの何とも言えない気持を形にしたのがこの曲だと思うのです。
 
実は歌詞の中にも「モーニングコーヒー」が登場します。早朝、世界が目覚める時に、コーヒーをかき混ぜながら思うこと。ほんの少しの愛があれば、この世の中は思っているほどひどいところでも悲しい場所でもなくなるのに・・そんな歌です。
 
朝のコーヒーというのは、まさにその”just a little loving’”だと思うのです。眠気を振り払いしゃきっとする Eye Opener として飲むものでもありますが、最初の一口をすする時、不思議と静かな気持になれます。今日片付けなければならないあれこれやら雑念とはちょっとの間脇に置いておいて、「空」な状態になる。そして、何気なく願う。「今日もみんな何事もなく過ごせますように。」朝の儀式のように朝のコーヒーを続けてきたのは、そんな祈りの瞬間を持ちたいと本能的に思うからかもしれません。
 
“loving”などと言われるとちょっと大げさで身構えてしまいますが、そんなほんの少しの「祈り」のキモチがを朝の一杯を楽しむ時にあれば、確かに世の中はもうちょっとばかり良い場所になるのではないでしょうか。ダスティの歌声はまさに、美味しいコーヒーだけが持つ豊かな味。朝の冷たい空気や目覚めゆく街の喧噪が聞こえてきそうなアレンジも、素晴らしい。


聞いてみたい人はこちらでどうぞ。
http://youtu.be/-z28gt8wBNo



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